2026.03.04
資本配分
RentとMoat
新興企業が開発したSaaSのデモを見る機会がありました。私が土地勘を持つ領域で完成度は高く、LLMを使用して短期間で構築したとは思えない水準でした。
その企業は対象業務そのものも自ら実行しており、業務理解の深さが完成度の理由のようでした。競争軸はコーディング技術そのものから、業務の解像度へと移行していると感じます。一方で、これが武器にはならないとみています。「新興企業でも、短期間で作成できてしまった」からです。
私は、持続的優位やMoatと呼ばれる概念は、経済学でいうRentと近い概念と考えています。経済学で非効率とされる状態が、経営学では目標になる。そう考えると、企業の資本配分は「ブランド」や「優秀な社員」といった抽象的な要素よりも、顧客が容易に離脱できない構造への投資に収斂していくとみています。情報と人材が流動化するほど、その傾向は強まるでしょう。