Corporate Development

2026.02.12 管理基盤・PMI

生産性は誰の責任か

生産性の定義はアウトプット÷インプットであり、向上手段はインプットの削減だけでなく、アウトプットの増加を含みます。一方で現実の議論は人件費や経費削減といったインプットの圧縮に集中しています。売価や需要といったアウトプットの議論は市場に左右され、個別企業の統制が及びにくいためです。その結果、生産性は「我慢と節約」の同義語に転落しています。

アウトプットを単価と数量に分解すると、いずれも過去の延長線上の努力では改善しません。比較されにくい財・サービスの提供は戦う場所の再設計を要し、市場成長を上回る販売量拡大は販路と供給能力の再設計を要します。
インプットも同様です。例えばサービス業では、人件費に次いで地代家賃が大きな固定費となります。これを減少させる効果のあるテレワークも、承認フローと役割分担を再設計しなければ機能しません。インプットの削減は既存の改善だけでは限界があり、さらなる削減には組織構造の再設計を要します。

共通するのは、いずれも過去の延長線上の施策ではないが故に部門長以下の現場に任せるものではないという点です。ここを現場に押し付けたとき、組織は我慢と節約の海に溺れます。戦う場所を選び、構造を設計するのは経営の責任であり、現場の責任は与えられた枠組みを磨くことです。生産性は設計の質と努力量の掛け算で決まります。